糖尿病によくある合併症

糖尿病の合併症、予防するための方策にはどのようなものがあるの?

「糖尿病の合併症」と聞くと、在る光景が目に浮かびます。それは、私の同僚の「発作」でした。彼は、40代の男性で、Ⅰ型糖尿病でインスリン注射を実施しています。

しかし、通勤途中や仕事中に倒れたりと症状が頻繁におこり、その都度職員は戦々恐々したものです。

そして、私が退職した今では、今度は、同居の叔母の糖尿病の合併症に戦々恐々の日々を送っています。

そこで、今回は、治療が大変な「糖尿病の合併症について」まとめてみました。

糖尿病本体よりも恐ろしい?糖尿病の合併症!

糖尿病を進行させてしまうと、合併症が心配になってきます。糖尿病の合併症の症状は、全身におよび、合併症を発症させてしまうと、それを治療して完治させることがなかなか難しいのです。

糖尿病の合併症には2種類があります

糖尿病の合併症には、急性合併症と、慢性合併症の2種類があり、それぞれ特徴があり、十分な警戒が必要です。

ここでは、この2種類の合併症について特徴などを紹介いたします。

糖尿病の急性合併症1:糖尿病ケトアシドーシス

この合併症は、血糖値を下げる働きをするインスリンが不足して、十分に血糖値が下がらないことで起こります

血糖をエネルギー源として利用できない場合、私達の体はエネルギー不足になります。そのため、脂肪がエネルギー源として分解され使われて、血糖値が上昇します。そして、ひどい場合は、意識がなくなる昏睡状態に陥ります。

また、脂肪の分解によって生じる「ケトン体」という物質が、血液中に増えて、血液が酸性に傾き、脱水状態になります。

この場合、特に、ひどいのどの渇き感、多尿、全身のだるさ、腹痛や吐き気などのような症状が出た場合には要注意です。

一方、2型糖尿病の方でも、清涼飲料水等をたくさん飲みすぎて「ケトアシドーシス」になることがあります。

ソフトドリンクには、たくさんの糖質がはいっていますので、甘い飲み物を1日にたくさん飲むと、大量の糖がからだの中へ入り、血糖値を下げる膵臓の働きが追い付かなくなります。

そのため、血糖値が急に上昇し、昏睡を起こすことがあります。

糖尿病の急性合併症2:高浸透圧高血糖症候群

こちらは、2型糖尿病の方に起こることの多い急性合併症です。糖尿病ケトアシドーシスと並んで、異常な高血糖をきたす急性合併症です。

この場合、血糖値は600mg/dL以上となり、それと一緒に極度の脱水がおこったり、時々意識障害を引き起こします。

2型糖尿病の場合は、インスリン分泌がある程度できるので、糖尿病ケトアシドーシスと比べると脂肪の分解は少なく、ケトン体の上昇も軽度であることが多いです。

ところで、この「高浸透圧高血糖症候群は」、比較的高齢者に多いのですが、時には、肺炎や尿路感染症などの感染症、脳梗塞や心筋梗塞などの糖尿病以外の病気、ステロイド薬などの薬の使用等がきっかけとなる場合もあります。

糖尿病の合併症2:糖尿病の慢性合併症はどういうもの?

血糖値が何年間も高い状態で経過すると、血管が詰まったり、傷ついたりして血流が滞ってしまいます。

このように、高血糖が原因で血管にダメージがおきると、それにつながる臓器にもダメージがおきて、さまざまな慢性合併症が生じます。

この慢性合併症は、数年から数十年と時間をかけて、ジワリジワリと進行していきます。

合併症の中には、かなり進行するまで症状が出ないことも多く、自分では気づかないために、時として「気づいた時には、命にかかわる重い状態となっていた」なんてことも…。

ここでは、そんな慢性合併症についてご紹介いたします。

慢性合併症は「血管の病気」です慢性合併症は、一口でいうと「血管の病気」といえるでしょう。これは、大きくわけて「細小血管症」と「大血管症」の2種類があります。

慢性合併症1:細小血管症ってどんな合併症?

まず、細小血管症ですが、これは、細い血管が傷つけられて生じる合併症です。これには、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症などがあります。

これらを、一般的には、「三大合併症」と言われており、合併症の中でもかなり有名な?合併症ともいえます。

では、具体的にこの三大合併症についてみてみましょう。

糖尿病性神経障害は?

高血糖が続くと、神経の働きが障害されて発生する合併症を言います。
高血糖の症状は、

  • 足のしびれや足の冷え、足のつり
  • 立ちくらみ
  • 排尿障害
  • 便秘や下痢
  • 勃起障害(男性)
  • 足の感覚低下や足の潰瘍、足の壊疽

などです。

糖尿病網膜症は?

高血糖が続くと、眼の網膜の毛細血管に変化が現れます。進行すれば、失明の原因にもなりますので、早期発見が重要です。自覚症状がほとんどない場合もあるので、定期的な眼底検査が必要です。

症状は次の通りです。

  • 初期では、見え方に変化はなし
  • ある程度進展すると、目のかすみ、視力障害、眼底出血による突然の視力低下
  • ゆがみやかすみ
  • 放置すれば失明の危険

などです。

糖尿病性腎症は?

高血糖が続くことによる、腎臓の糸球体のダメージによる障害のことです。しかし、一般的には腎不全になると下記の症状が現れます

症状

  • 尿中に、アルブミンと言われるタンパク質が混じる
  • 進行すると、より多くタンパク尿が出る
  • 浮腫(むくみ)が出る
  • 食欲不振や全身のだるさなどの尿毒症の症状が出る

などです。

尿毒症になると、「腎不全」という状態になり、腎臓の機能が働かなくなりますので、最悪の場合「人工透析」の治療となります。

慢性合併症2:大血管症ってどんな合併症?

原因には「動脈硬化」あります。

動脈硬化は、高血圧やコレステロールや中性脂肪などが高くなる脂質異常症や、肥満、喫煙、加齢などが、有名な原因と言われていますが、実は、高血糖も原因の一つなのです。

この動脈硬化によって、からだの比較的大きな血管と、それにつながる臓器がダメージを受けて「大血管症」を引き起こします。

代表的な「大血管症」には

  • 虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)
  • 脳梗塞
  • 末梢動脈疾患
  • 足病変(足壊疽など)

といったものがあります。

慢性合併症3:歯周病も合併症?

意外に思われますが、歯周病も合併症になりうるのです。高血糖が続くと、歯周組織の血管がもろくなります。これを放置すると、歯周病が進行しやすくなり、歯を支えている骨がなくなり、歯を失う原因となります。

歯周病の症状には

  • 歯ぐきから血が出る
  • 歯ぐきが腫れる
  • 歯がぐらぐらする

などです。

これは、誰もがよく聞く、おなじみの症状ですね。

糖尿病の合併症を予防するためには?

なんの病気でもそうですが、特に、糖尿病の場合、合併症を発症すると、事は厄介で、治療がとても大変です。

ですから、日頃の予防が大切で、そのポイントは、「一にコントロール、二に定期受診」です。

特に、血糖値や血圧、コレステロール、体重などのコントロールは必須です。もちろん、喫煙は厳禁です。

そして、合併症を早く見つけるための「定期受診と検査」です。定期的に受診することで、合併症の予防や早期発見ができます。

糖尿病の合併症まとめ

糖尿病の合併症って怖いですね。しかし、糖尿病は、一生付き合わなければならない病気ですが、自分の管理次第で、より快適な生活を送れることができます。

主治医や医療スタッフと一緒に、糖尿病の合併症をおこさない、そして悪くしないためにはどうしたらよいかを、常に相談しながら治療を進めていくことが重要と考えます。

公益社団法人 日本糖尿病協会 事務局公益社団法人 日本糖尿病協会 事務 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/index.html
公益社団法人 日本糖尿病協会サイトhttps://www.nittokyo.or.jp/modules/about/index.php?content_id=16